2026年09月16日

犬の健康診断は何歳から必要?頻度の目安と検査でわかることをやさしく解説

動物病院で診察を受ける犬

「うちの子はまだ若いし元気だから、健康診断はもう少し先でいいかな?」「犬の健康診断って、そもそも何歳から受けたほうがいいんだろう?」――そんなふうに迷っていませんか?

犬は言葉で不調を伝えられないうえに、飼い主さんに心配をかけまいと痛みや違和感を隠すこともあります。「食欲もあるし散歩も元気」に見えても、体の中では静かに病気が進んでいることは珍しくありません。だからこそ、症状が出る前の段階で体の状態を数字で確認できる健康診断は、犬の寿命と生活の質を守る大切な習慣になります。

この記事は 窪木 未津子(院長・獣医師) が監修しています。気になる症状がある場合は自己判断せず、かかりつけの動物病院に相談してください。本記事では、犬の健康診断を始める年齢の目安、年齢別の推奨頻度、検査でわかること、健診で見つかりやすい病気、受けやすい季節や当院の取り組みまでを、はじめての飼い主さんにもわかりやすく整理していきます。

✅ この記事のポイント

  • 犬の1年は人の約4年にあたるため、半年に1回の健康診断が理想の目安です
  • パピー期は成長確認、成犬期は年1〜2回、シニア期は半年に1回が推奨頻度です
  • 血液・尿・画像検査で腎臓病・肝臓病・心臓病・腫瘍などを症状が出る前に見つけられます
  • 元気に見えても犬は不調を隠すことがあり、数値による客観的な確認が大切です
  • 春と秋は移動や絶食の負担が少なく、健康診断を受けやすいシーズンです

Contents

肝臓の数値・毛並み・元気が気になる猫ちゃんへ|獣医師が処方するプラセンタサプリ フェリスケア

犬の健康診断は何歳から必要?

結論からお伝えすると、犬の健康診断は迎え入れた直後から始めるのが理想で、1歳を過ぎたら本格的な定期健診をスタートするのがおすすめです。「シニアになってから」ではなく、若く元気なうちから受けておくことが将来の比較材料になります。

犬の1年は人の約4年に相当する

よく知られているように、犬の1年は人でいう約4年分にあたると言われます。つまり、1年に1回の健診は、人にたとえると「4年に一度しか検査を受けない」ようなペースです。体の変化が早い犬にとっては、この間隔が思いのほか長いのです。

半年に1回の健康診断は、人でいうと約2年に1回のペースにあたります。若い犬でも半年ごとに体をチェックする意味は、こう考えるとイメージしやすくなります。

「元気そうに見える」だけでは判断できない

犬は具合が悪くても、しっぽを振ってごはんを食べてしまうことがあります。腎臓病や心臓病、初期の腫瘍などは、数値やレントゲンで初めて気づけることがほとんどです。飼い主さんの目だけで健康を判断するのは、実はとても難しいものです。

1歳を「はじめての本格健診」の節目に

ワクチンや去勢・避妊のタイミングで健康状態を確認する機会はありますが、体づくりが落ち着いてくる1歳前後で、大人としての基準値を残す健康診断を受けておくと、その後の変化に気づきやすくなります。若いうちのデータは、シニアになったときの大きな財産です。

自宅でくつろぐシニア犬
Photo by Olivier Leysen on Pexels

年齢別・犬の健康診断の頻度の目安

犬の健診頻度は、年齢とライフステージに合わせて調整していくのが基本です。若いうちは年1〜2回、シニアになったら半年に1回を目安に、その子に合ったペースを見つけていきましょう。

パピー期(〜1歳)は成長のチェックが中心

子犬のうちは、ワクチン接種や寄生虫予防のたびに動物病院で体重・体格・歯の生え変わり・心音などを確認していきます。この時期は成長そのものが健康のバロメーターになるため、ワクチンの機会をうまく健康チェックの場として活用していくのがおすすめです。

1歳を迎えたタイミングで、血液検査を含めた「はじめての健康診断」を受けておくと安心です。

アダルト期(1〜6歳)は年1〜2回

成犬期は見た目にはとても元気ですが、肥満・歯周病・皮膚トラブル・関節の異常などが少しずつ進みやすい時期でもあります。基本は年1回、犬種や体質によっては年2回(半年に1回)を目安にすると、体の変化を早めに拾えます。

特に、心臓病になりやすい小型犬種、大型犬、肥満気味の子、既に何らかの持病がある子は、若くても半年ごとの健診が安心です。

シニア期(7歳〜)は半年に1回が推奨

一般的に、小〜中型犬では7歳ごろ、大型犬では5〜6歳ごろからシニア期に入ると言われます。この年代からは、半年に1回の健康診断がおすすめです。半年あれば、腎臓・肝臓の数値や心臓の状態、体重の変化を早めに拾えるため、治療のタイミングを逃しにくくなります。

10歳を超えたハイシニアでは、体調に応じて画像検査を組み合わせたり、検査の間隔をさらに短くしたりする提案をされることもあります。

年齢別・頻度の早見表

ライフステージ健診の頻度目安主なチェックポイント
パピー(〜1歳)ワクチン時+1歳の節目成長・寄生虫・先天性疾患
アダルト(1〜6歳)年1〜2回体重・歯・皮膚・基礎データ
シニア(7〜10歳)半年に1回腎臓・肝臓・心臓・腫瘍
ハイシニア(11歳〜)半年に1回以上上記+関節・認知機能

犬の健康診断ではどんな検査をするの?

健康診断のメニューは動物病院やコースによって異なりますが、基本になるのは「身体検査」「血液検査」「尿検査」の3つです。年齢や体調に応じて、レントゲンやエコーなどの画像検査を組み合わせていきます。

身体検査(視診・触診・聴診)

獣医師が実際に体を触り、目で見て、聴診器で確認する基本の検査です。体重・体温・心拍・呼吸・粘膜の色・お腹の張り・リンパ節・皮膚や被毛・耳や口の中などを幅広くチェックします。数字には表れない「なんとなくの違和感」を拾えるのが、この身体検査ならではの強みです。

血液検査でわかること

血液検査では、貧血の有無・肝臓や腎臓の働き・血糖値・電解質のバランス・炎症の有無などを調べます。犬では、フィラリア感染の有無やホルモン関連の項目を追加することもあります。

採血はほんの数分で終わりますが、得られる情報量はとても多く、見た目ではわからない体の中の変化を数字で見える化してくれる、健診の中心的な検査です。

尿検査・便検査でわかること

尿検査では、尿の濃さ(比重)・pH・タンパク・糖・血液・結晶や細菌の有無などを確認します。腎臓病や膀胱炎、糖尿病の早期発見につながる大切な検査です。便検査では、寄生虫や腸内の炎症、消化状態を確認できます。

健診当日は、可能であればその日の朝の尿と便を持参いただけると、より正確に評価できます。採り方に迷ったときは、事前に動物病院で相談してみてください。

画像検査(レントゲン・エコー)

より詳しい評価が必要な場合や、シニア犬の年1回のドックとして、レントゲン検査超音波(エコー)検査を組み合わせることがあります。レントゲンでは心臓の大きさ・肺・骨・お腹の中の全体像を、エコーでは臓器の内部構造や心臓の動きをリアルタイムで確認できます。犬に多い心臓病や腫瘍の早期発見に、画像検査は大きな力を発揮します。

💡 ワンポイント

健診の予約時に「気になっていること」を伝えておくと、その内容に合わせて検査項目を調整してもらえます。散歩を嫌がる、咳が出る、飲水量が増えた、体重が減ってきた…など、小さな気づきもぜひメモしてお伝えください。

聴診器で心音を確認される犬
Photo by Mikhail Nilov on Pexels

健康診断で見つかりやすい犬の病気

健康診断は「なんとなく」の検査ではなく、犬に多い病気を早期に見つけるための入り口でもあります。ここでは、健診をきっかけに発見されやすい代表的な病気をご紹介します。

心臓病(僧帽弁閉鎖不全症など)

特に小型犬に多いのが僧帽弁閉鎖不全症をはじめとする心臓病です。初期は無症状で、聴診で「心雑音」として偶然見つかることが多くあります。早めに気づいて経過を追い、必要なタイミングで治療を始められれば、進行をゆるやかにできる可能性があります。

慢性腎臓病・尿路トラブル

犬でもシニアになると慢性腎臓病が増えます。初期はほとんど症状がなく、「水をよく飲む」「おしっこの量が増える」といった変化が出るころには進行していることも。血液検査(腎臓関連の数値)と尿検査を組み合わせることで、早い段階の変化に気づきやすくなります。膀胱炎や結石も、尿検査で早期発見できます。

肝臓の病気

肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、症状が出にくい臓器の代表です。健診の血液検査で肝酵素の上昇に気づき、精査で慢性肝炎や胆泥症などが見つかるケースが少なくありません。食欲や元気がある段階で気づけると、食事や内服で管理しやすくなります。

糖尿病・ホルモンの病気

中〜高齢の犬では糖尿病や、副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)などのホルモン疾患が増えてきます。多飲多尿・脱毛・お腹が張って見えるといったサインが典型ですが、健診の血液検査で早めに疑いを持てることがあります。

腫瘍(できもの)

体表のしこりは飼い主さんが気づくこともありますが、お腹の中や胸の中の腫瘍はレントゲンやエコーで初めて見つかります。良性か悪性かは検査をしなければ判断できないため、「小さいから様子見」と自己判断せず、健診時に相談することが大切です。

歯周病

3歳を過ぎた犬の多くが、なんらかの歯周病を抱えていると言われます。口臭・歯石・歯ぐきの赤みなどは、健診時の口腔チェックで早めに気づけます。歯周病は口の中だけでなく、心臓や腎臓にも影響することがあるため、軽視できません。

⚠️ こんなときは要注意

水を飲む量やおしっこの量が急に増えた・体重がじわじわ減っている・食欲が落ちてきた・咳が続く・散歩を嫌がる・お腹が急に張ってきた、といった変化があるときは、次の健診を待たずにできるだけ早く動物病院を受診してください。

元気そうに見えても健康診断を受ける意味

「特に困っていることもないし、わざわざ健診を受けなくても…」と感じる飼い主さんは少なくありません。ですが、症状が出ていない今こそ健康診断を受ける価値があります。

症状が出る前に手を打てる

多くの病気は、症状が出た時点ですでに進行しているものです。健康診断は、体の中で起こっている小さな変化を数値や画像で拾い上げ、「まだ症状が出ていないうちに対処する」ためのものです。早いタイミングで気づけるほど、治療の選択肢は広がり、犬の負担も小さくなります。

「その子の平常値」を残せる

血液検査の基準値は「一般的な犬の範囲」ですが、実際には個体差があります。若く元気なうちからデータを残しておくことで、「この子にとっての普通の数値」がわかり、翌年以降のわずかな変化にも気づきやすくなります。元気なときの記録こそ、いちばん価値のあるデータです。

通院と検査に慣れておける

健康なうちに通院や検査を経験しておくことは、いざ具合が悪くなったときの心の負担を減らすことにもつながります。急な体調不良で慣れない検査を受けるより、日ごろから動物病院に慣れているほうが、犬にも飼い主さんにもやさしいのです。

春と秋がおすすめ!健康診断を受けやすい季節

健康診断はいつでも受けられますが、暑すぎず寒すぎない春と秋は、犬にとっても飼い主さんにとっても負担が少なく、無理なく通いやすいシーズンです。

移動と待ち時間のストレスが少ない

真夏は熱中症のリスク、真冬は寒さによる体調変化が心配です。春や秋なら、キャリーでの移動や車内、待合室での待ち時間の負担が少なく、犬がリラックスした状態で診察を受けやすくなります。健診の日に体調を崩してしまっては本末転倒ですから、季節選びも大切なポイントです。

絶食での来院がしやすい

血液検査を正確に行うため、健康診断の日は数時間の絶食をお願いすることが一般的です。暑い季節は絶食で体力が落ちやすい子もいますが、春や秋であれば無理なく空腹の時間を作りやすく、犬への負担も小さくなります。

富士見台どうぶつ病院の健康診断キャンペーン

富士見台どうぶつ病院では、春と秋の年2回、健康診断キャンペーンを実施しています。「シニアに入ったので半年ごとに受けたい」「若いうちから体のデータを残しておきたい」といったご希望に合わせて、その子に合った検査内容をご相談しながら組み立てます。

健康診断は事前予約制(お電話または受付窓口)となっております。ご希望の日時が混み合うこともありますので、キャンペーン期間中はお早めにご相談ください。中野区上鷺宮・富士見台駅から徒歩2分と通いやすい立地ですので、ご近所のかかりつけとしてお気軽にご利用いただけます。

猫と多頭飼いをされているご家庭は、猫の健康診断は必要?何歳から・どんな検査・頻度の目安をやさしく解説もあわせてご覧ください。犬と猫では推奨頻度や見つかりやすい病気が少し異なるため、それぞれの子に合ったペースで健診を組み立てていくと安心です。

まとめ

犬の1年は人の約4年にあたるため、半年に1回の健康診断が理想的な目安になります。パピー期は成長確認とワクチン時のチェックを、アダルト期は年1〜2回、シニア期からは半年に1回のペースで、その子の体の変化を細かく見守っていきましょう。

健康診断の基本は、身体検査・血液検査・尿検査の3本柱です。年齢や気になる症状に応じてレントゲンやエコーを組み合わせることで、心臓病・腎臓病・肝臓病・腫瘍など、犬に多い病気を症状が出る前の段階で見つけられる可能性が高まります。元気に見えても、数値としての「今の状態」を残しておくことには大きな意味があります。

春と秋は、犬にとって移動や絶食の負担が少なく、健康診断を受けやすい絶好のシーズンです。富士見台どうぶつ病院では春と秋の年2回、健康診断キャンペーンを実施しています。「そろそろ健診を…」と思ったこのタイミングを、ぜひきっかけにしてみてください。

よくある質問

Q. 犬の健康診断は何歳から受け始めればいいですか?

A. 迎え入れ直後の体調確認から始まり、1歳前後で「大人としての基準値を残す健康診断」を受けるのが理想です。以降はアダルト期で年1〜2回、シニア期(7歳ごろ〜)からは半年に1回が目安になります。

Q. 若くて元気な犬でも健康診断は必要ですか?

A. はい、必要です。犬は不調を隠すことがあり、元気に見えても体の中で病気が進んでいることがあります。若いうちからデータを残しておくと、将来わずかな変化にも気づきやすくなります。

Q. 健康診断の当日は絶食が必要ですか?

A. 血液検査を正確に行うため、通常は数時間の絶食をお願いしています。時間や水の可否は動物病院によって異なるため、予約時に確認しましょう。朝の尿や便を持参いただけると検査に役立ちます。

Q. どんな症状があれば健診を待たずに受診したほうがいいですか?

A. 水を飲む量やおしっこの量が急に増えた、体重が減ってきた、食欲が落ちた、咳が続く、散歩を嫌がる、お腹が急に張ってきた…といった変化があるときは、次の健診を待たずに動物病院を受診してください。

Q. 富士見台どうぶつ病院の健康診断は予約が必要ですか?

A. はい、事前予約制です。お電話または受付窓口にてご予約ください。春と秋の健康診断キャンペーン期間中はご希望日が混み合うことがありますので、お早めのご相談をおすすめしています。

監修:窪木 未津子(院長・獣医師)/麻布大学獣医学部卒業、ヤマザキ動物専門学校卒業。群馬県出身。埼玉県・東京都の動物病院での勤務を経て、富士見台どうぶつ病院 院長。獣医師・動物看護師の資格に加え、トリミングやドッグトレーニングの知識・技術をもち、暮らしのちょっとした悩みから病気・ケガの相談まで幅広く対応しています。

中野・練馬・杉並エリアで動物病院をお探しの方へ

富士見台どうぶつ病院は、西武池袋線「富士見台駅」南口より徒歩2分。中野区・練馬区・杉並区を中心に、鷺ノ宮・中村橋・下井草など近隣エリアの飼い主さまにご来院いただいています。犬が水をよく飲む・体重が減ってきた・元気がないなど、いつもと様子が違うと感じたら、自己判断せずお早めにご相談ください。WEB予約は24時間受付中です。

診療のご予約はこちら交通アクセス・地図を見る

アイキャッチ画像: Photo by Tima Miroshnichenko on Pexels

フェリスケアとは?窪木獣医師が解説|獣医師が処方するプラセンタサプリ
診療のご予約