トリミング
2024年08月09日

猫のトリミングは必要?お手入れをする意味や頻度について解説

「そもそも猫にトリミングは必要なのか」と疑問を感じている方は多いと思います。トリミングは、見た目をよくするだけでなく健康維持にも大いに役立つため、この機会に検討してみてはいかがでしょうか。

今回は、猫のトリミングの必要性や頻度についてわかりやすく解説します。自宅でできるケアについても触れていますので、愛猫との快適な暮らしの実現にお役立てください。

 

 

猫のトリミングとは

トリミングとは、猫の被毛をカットして整えることをいいます。日本ではカット以外にもブラッシングやシャンプー、耳掃除・爪切り・肛門腺絞りなどのグルーミングも含めて、「トリミング」と呼ぶことが多いです。

猫のトリミングの必要性について

猫はもともときれい好きな動物で、自分で毛づくろいをしたり、爪を研いだりしてしています。そのため、トリミングは必要ないと考える方もいらっしゃいますが、健康維持の観点から定期的なトリミングは非常に重要といえます。その理由は以下のとおりです。

<猫のトリミングが重要な理由>

  • 毛玉を予防できる
  • 飲み込む毛の量を少なくできる
  • 病気の早期発見につながる

以下では、それぞれの理由について詳しく解説します。

毛玉を予防できる

長毛種や肥満気味の猫ちゃんは、毛づくろいが行き届かず、被毛がもつれて毛玉ができやすいです。毛玉を放置しておくと、皮膚の通気性が悪くなり、不衛生な状態から皮膚炎を発症する可能性もあります。そのため、定期的にトリミングをしてあげることが大切です。

また、毛づくろいが行き届いていない場合、被毛の中に汚れが残ってしまいます。この汚れも皮膚炎などを引き起こす原因になるため、トリミングをしたほうが猫ちゃんの健康を維持しやすいです。

飲み込む毛の量を少なくできる

前述のとおり、猫は自分で毛づくろいをしますが、その際に自分の被毛を飲み込んでしまいます。トリミングを行うと、猫ちゃんが飲み込む毛の量を少なくできるため、毛球症の予防に効果的です。

毛球症とは、飲み込んだ毛が体内に溜まることで起こる病気で、食欲不振や嘔吐・下痢・便秘などさまざまな症状を引き起こします。場合によっては開腹手術が必要になることもあるので注意が必要です。特に毛が生え変わる換毛期は、普段より大量の被毛を飲み込んでしまうため、こまめにブラッシングしてあげるといいでしょう。

病気の早期発見につながる

トリミングには「病気の早期発見につながる」というメリットもあります。ブラッシングやシャンプーをするときに猫ちゃんの体に触れることで、なんらかの異変に気づくケースは少なくありません。

人間と同様に、猫もさまざまな病気にかかる可能性がありますが、どのような病気も早期の発見と治療が重要です。病気のなかには自覚症状を感じにくいものもありますので、愛猫の健康管理の一環としてトリミングを取り入れることをおすすめします。

猫のトリミングの頻度

トリミングの頻度については、猫の種類やケアの内容によって目安は異なります。例えば、短毛種の場合、基本的にはカットの必要はありません。一方で、長毛種は毛のもつれ具合や毛玉の有無などを見て、適宜判断することが大切です。

また、ブラッシングは毎日行うのが理想的です。特に毛が長い猫ちゃんは、2〜3日ほどブラッシングしないだけで毛玉ができてしまうこともあるため、こまめにお手入れしてあげましょう。

シャンプーに関しては、短毛種では3ヶ月〜半年に一度、長毛種では1〜2ヶ月に一度くらいが目安とされています。猫ちゃんの体質や皮膚の状態、生活環境によって個体差がありますので、かかりつけの獣医師に一度相談してみると良いでしょう。

自宅でできるトリミング

自宅でグルーミングを含めたトリミングを行うのは大変なことです。しかし、愛猫がより快適に過ごせるよう、「できる限りのケアをしてあげたい」と考えている方は多いでしょう。

自宅でできるトリミングにはさまざまなものがありますが、まずは最低限のケアとして以下の3つのことからはじめていきましょう。

<自宅でできるトリミング>

  • ブラッシング
  • 爪切り
  • シャンプー

ここからは、上記のケアの必要性やポイントについて解説していきます。

ブラッシング

こまめなブラッシングは、見た目をよくするだけではなく、毛玉症の予防など健康維持にも役立ちます。特に短毛で抜け毛が多い子や、長毛で毛玉ができやすい子には、毎日ブラッシングしてあげましょう。猫種に関係なく、最低でも3日に一度のペースで行うことをおすすめします。

なお、猫ちゃんのなかには撫でられることを嫌がる子も多いです。加えて、体調や気分が悪いときに無理やりすると、ブラッシング自体を嫌いになってしまう可能性があります。そのため、猫ちゃんの様子をうかがいつつ、徐々に慣らしていくことが大切です。

爪切り

室内飼いの猫ちゃんは、鋭い爪の先が絨毯やカーテンなどに引っかかり、爪が根本から折れて怪我をしてしまうことがあります。加えて、飼い主さまやほかのペットが思わぬ怪我をしてしまう可能性もあるため、定期的に爪をお手入れしてあげることも大切です。

猫ちゃんの爪を切るときは、専用の道具を使って爪の先(ピンク色の部分から2mm以上離れた部分)を切るようにしましょう。深く切り込んでしまうと、出血や痛みを伴いますので注意が必要です。

「愛猫がどうしても足を触らせてくれない」「爪切りを見せただけで逃げてしまう」という場合は、気兼ねなく動物病院やトリミングサロンなどプロにお任せしましょう。

シャンプー

定期的なシャンプーは、猫ちゃんの体を清潔に保ち、さまざまな病気の予防につながります。基本的に、猫は水に濡れることを嫌いますので、シャンプーは短時間で済ませることが重要です。

猫ちゃんにシャンプーをするときは、事前にブラッシングをしてほこりや抜け毛を取り除き、被毛が絡まないように毛のもつれや毛玉をほぐしておきましょう。引っかかれたときに大惨事にならないよう、あらかじめ爪を切っておくこともおすすめします。

また、シャンプー剤は猫専用のものを使うようにしてください。人間と猫では毛や皮膚の性質が異なるため、人間用のものを使うと被毛の状態が悪くなったり、皮膚トラブルを起こしたりする可能性があります。シャンプーのすすぎ残しも皮膚トラブルの原因になりますので、被毛の奥まで丁寧に洗い流すようにしてください。

愛猫のトリミングが難しい場合はプロに任せよう

猫はデリケートな動物であり、トリミングを嫌がる子は少なくありません。その場合には、迷わずプロにお任せすることをおすすめします。

自由を好む猫ちゃんにとって、トリミングはストレスを感じる行為といえますが、プロが丁寧に扱うことでそのストレスを軽減できます。さらに専門的な知識を持つ方に任せれば、愛猫と飼い主さまの安全性を確保することが可能です。猫専用トリミング室が用意されているサロンもあります。

なお、被毛のカットやシャンプーなどはトリミングサロンだけではなく、一部の動物病院でも対応してもらえます。動物病院の場合、すぐそばに獣医師が控えているため、もしものときも安心です。

まとめ

今回は、猫のトリミングについて解説しました。トリミングは、猫ちゃんの見た目をよくすることに加えて、健康維持に役立つというメリットもあります。

しかしながら、猫ちゃんにとってトリミングはストレスがかかる行為であり、嫌がられてしまう場合がほとんどです。愛猫のためとはいえ、無理にお手入れするのはよくありませんので、信頼できるトリマーや獣医師に相談することをおすすめします。

「富士見台どうぶつ病院」では、ペット動物の一般診療をはじめ、犬・猫・フェレットのトリミングも行っています。愛猫が快適かつ清潔に暮らせるよう、経験豊富なスタッフがそれぞれの個性を活かしたトリミングをいたしますので、まずはお気軽にご相談ください。

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