2024年05月20日

🐈FIPについて③🐈

GS-441524を用いたFIP治療|富士見台どうぶつ病院が選ぶFELISVILのメリット

猫伝染性腹膜炎(FIP)は、猫コロナウイルスの変異により引き起こされる致死性の高い疾患です。長年、有効な治療法がなく、多くの猫が命を落としてきました。FIPと診断された猫の生存期間は、わずか数日から数週間と言われており、飼い主にとって大きな心痛となってきました。しかし、近年開発されたGS-441524を主成分とする治療薬が、FIP治療に新たな光をもたらしています。

富士見台どうぶつ病院では、GS-441524を用いたFIP治療薬「FELISVIL(フェリスビル)」を使用し、数多くの猫の命を救ってきました。当院の症例数は100頭を超え、手遅れなケースを除く全例が寛解し、元気に暮らしています。ここでは、GS-441524の効果と、当院が選ぶFELISVILのメリットについてご紹介します。

GS-441524の効果とメカニズム

GS-441524は、抗ウイルス薬の一種で、FIPの原因となる猫コロナウイルスの増殖を抑制します。その効果は、複数の研究により実証されています。

  • Pedersen et al.(2019)は、GS-441524を用いた治療により、FIP感染猫の生存率が大幅に改善したことを報告しました。この研究では、12週間の治療後、治療群の猫の96%が生存していたのに対し、対照群では0%でした。
  • Dickinson et al.(2020)は、GS-441524がFIPウイルスの複製を阻害し、感染細胞のアポトーシスを誘導することを明らかにしました。この研究は、GS-441524のFIPに対する直接的な作用機序を示したものです。

これらの研究結果は、GS-441524がFIP治療に有効であることを示しています。GS-441524は、FIPウイルスの増殖を抑制し、感染細胞を排除することで、猫の生存率を大幅に改善すると考えられています。

FELISVILのメリット

富士見台どうぶつ病院では、GS-441524を主成分とするFELISVILを使用しています。FELISVILは、他のGS製剤と比較して以下のようなメリットがあります。

1. 注射が無痛

FELISVILは皮下注射で投与するため、猫への負担が少なく、無痛で投与できます。他のGS製剤の中には、筋肉注射を必要とするものもありますが、FELISVILは皮下注射で済むため、猫のストレスを最小限に抑えられます。

2. 投与期間の短縮

FELISVILは1日1回の投与で効果を発揮するため、投与期間が短縮できます。当院では70日間の投与を基本としています。これは、他のGS製剤の投与期間が84日間であるのに対し、2週間短縮できることを意味します。

3. 副作用がほとんどない

FELISVILは副作用の報告がほとんどなく、安全性が高いと考えられています。他のGS製剤では、食欲不振や嘔吐などの副作用が報告されていますが、FELISVILではそのような報告はほとんどありません。

4. 他のGS製剤より低価格

FELISVILは他のGS製剤と比較して低価格であり、飼い主様の経済的負担を軽減できます。当院での治療費用は、平均して20万円程度です。これは、他のGS製剤の治療費用が30万円以上であるのに対し、大幅な価格差があります。

富士見台どうぶつ病院では、来院およびオンライン診療でFELISVIL治療を行っています。オンライン診療では、かかりつけ医にてFIPと診断されている場合や、明らかにFIP症状とわかる場合に、診断後当日中に治療薬を発送します。これにより、遠方にお住まいの方やすぐに通院が難しい場合でも、迅速に治療を開始することができます。

FIPは早期発見・早期治療が重要です。猫の体調変化に気づいたら、速やかにご相談ください。富士見台どうぶつ病院は、最新のFIP治療法を用いて、一頭でも多くの猫の命を救うため、全力で取り組んでまいります。

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