🐈FIPについて②🐈
FIP(猫伝染性腹膜炎)の治療なら富士見台どうぶつ病院へ|フェリスビル(FELISVIL)による治療を実施
FIP(猫伝染性腹膜炎)とは?
FIP(猫伝染性腹膜炎)は、猫コロナウイルス(FCoV)が突然変異し、腸管以外の場所に拡がり過剰な免疫反応を引き起こす疾患です。多くは1歳未満の子猫で発症し、食欲不振、活動性の低下、発熱、体重減少などの症状が現れ、発症から数日~1ヶ月以内に亡くなることも多い非常に致死性の高い病気です。
FIPの原因と発症のメカニズム
FIPは、猫の腸管に感染する低病原性の猫コロナウイルス(FCoV)が突然変異し、病原性の高い猫伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)になることで発症します。猫コロナウイルスは、飼い猫・野良猫を問わず、日本の多くの猫が保有しているとされているウイルスで、まれに下痢を引き起こすことがあるものの、病原性は低く、ほとんどは感染しても症状を示すことはありません。
ところが、このウイルスは、猫に感染しているうちに、病原性の高い「猫伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)」に突然変異を起こすことがあります。そしてこの猫伝染性腹膜炎ウイルスに対し、体の免疫がうまく反応できないと、「猫伝染性腹膜炎(FIP)」を発症すると考えられています。
突然変異の原因は明らかではありませんが、ストレスや飼育環境、他のウイルス感染などの影響が考えられています。去勢・避妊手術、新しい同居猫の飼育、引っ越しなどがストレスとなり、発症のきっかけになるケースも見られます。FIPはいずれの年齢でも発症することがありますが、ほとんどは3歳以下の若齢で発症します。雑種猫を含むあらゆる猫種で発症しますが、特に純血種(ロシアンブルー、ラグドール、ベンガル、ヒマラヤン、アビシニアン、ブリティッシュショートヘア、アメリカンショートヘア、スコティッシュフォールドなど)に多い病気です。
FIPの症状
(症状が分かる写真を挿入↑)
FIPの症状は、大きく分けて一般的な症状と、ウェットタイプ、ドライタイプ、混合タイプに特徴的な症状があります。
一般的な症状
- 発熱(体温39.5度以上)
- 元気消失
- 食欲不振
- 体重減少
- 被毛の艶の消失
ウェットタイプの症状
- 腹水貯留(おなかに水が溜まる)
- 胸水貯留(胸に水が溜まる)
- 呼吸困難(胸水による)
- 嘔吐・下痢
ドライタイプの症状
- 眼の異常(ぶどう膜炎、虹彩炎、網膜剥離、失明など)
- 神経症状(痙攣、運動失調、麻痺、性格変化など)
- リンパ節腫大
- 黄疸
- 皮膚の結節や潰瘍
混合タイプの症状
- ウェットタイプとドライタイプの症状が混在して現れる
これらの症状は、FIPに特徴的ではありますが、他の病気でも似た症状を示すことがあります。確定診断には、臨床症状、血液検査、PCR検査、生検などを組み合わせて総合的に判断する必要があります。
FIPの診断方法
FIPの診断は、臨床症状、血液検査、PCR検査、生検などを組み合わせて総合的に判断します。ドライタイプではウェットタイプと比較して確定診断が難しくなります。
- 血液検査:白血球数の増加、リンパ球の減少、総蛋白の上昇、アルブミン・グロブリン比の低下、γグロブリンの上昇など
- 腹水・胸水検査:黄色から黄褐色で粘稠度が高い、リバルタ反応陽性、FIP特有の炎症細胞の存在
- 組織生検:肉芽腫性・壊死性血管炎の存在、FIPウイルス抗原の検出
- PCR検査:血液、体腔液、組織サンプルからのFIPウイルス遺伝子の検出
富士見台どうぶつ病院のFIP治療|フェリスビル(FELISVIL)による治療
富士見台どうぶつ病院では、抗ウイルス薬「フェリスビル(FELISVIL)」を用いたFIP治療を実施しています。フェリスビルはGS-441524を主成分とする薬剤で、FIPウイルスの増殖を抑制する効果があります。
かつてFIPは不治の病とされ、対症療法やステロイド剤(プレドニゾロン)、インターフェロンでわずかに延命する程度で、残念ながら数週間で命を落とす病気として知られていました。しかしここ数年でFIP治療の研究が進み、抗ウイルス薬『レムデシビル』・『GS-441524』(レムデシビルは体内で代謝されるとGS-441524に変化します)によりFIPを克服した症例も数多く報告されるようになりました。
当院ではこれまでに100頭を超えるFIP猫の治療を行っており、手遅れなケースを除き全頭が寛解し元気に暮らしています。治療は来院またはオンライン診療で開始可能です。かかりつけ医にてFIPと診断されている場合や、明らかにFIP症状とわかる場合には、診断後当日中に治療薬を発送いたします。
治療期間は12週間で、費用は15万円~60万円(平均20万円程度)です。FIPは進行が早く、治療が遅れると救命が難しくなります。少しでもFIPが疑われる場合は、お早めに富士見台どうぶつ病院にご相談ください。フェリスビルによる治療で、大切な猫ちゃんの命を救います。